キャリアアップを目指す人にも、キャリアチェンジを目指す方にも!デザイナーの転職に役立つ転職サイトまとめ
クリエイターの中には、キャリアアップのことやこの先どんなデザイナーになっていきたいかを考えた上で、転職を視野に入れている方も多いのではないでしょうか。特に、デザインやクリエイティブに関わる仕事をしていると、一つの会社に長く勤め続けるよりも、節目節目で会得したいスキルや積みたい経験に合わせた企業を選びたいという人が多いと思います。よほど規模が大きく多角的な事業を扱っている会社でないと、デザイナーとしてのスキルや経験にどうしても偏りが出てしまうものですし、一口にデザイン業務と言っても、グラフィックやインターフェースデザイン、クライアントワークやインハウス業務などの幅広い業務があり、デザイナーに様々なスキルを求められる現代においては、同じ会社で同じ業務を続けることに不安を感じている方も多いでしょう。また、デザイナーからディレクターに転身したいという人や、逆にエンジニアリングの知見を得たいといったキャリアチェンジを考える人にとっても、転職は一つの方法になります。
とはいえ、一般的な転職サイトに登録してみたものの、デザイナーの求人数が少なくて困ってしまったというデザイナーの方も多いと思います。本記事では、今まで様々な転職支援サービスを利用してきた筆者が、実際の体験談や正直な感想も交えて、デザイナーにおすすめの転職サイトをご紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- 転職を考えているけど、どんなサイトに登録するのがいいのかわからない
- デザイナー求人が多い転職サイトがなかなか見つからない
- 今すぐ転職したいわけではないけれど、いい企業があれば話を聞いてみたい。そういう使い方ができる転職サイトはないかなぁ
目次
事前知識:転職サイトを使って転職を行うメリット
転職サイトを使って転職を行うメリットは、なんといっても求人の比較検討がしやすいことと、情報収集がしやすいことにあります。「どうしてもこの会社に入社したい」という明確な意思があれば、自分から企業のサイトなどを経由して直接アプローチをかけるという方法もありますが、その場合、どうしても応募数が絞られてしまいますという不安がありますよね。よほど優秀な経歴を持っているならともかく、通常は狙った企業にすんなりと採用されることの方が稀ですし、どれだけ熱意を持って応募している企業であっても、その企業が求める人物像との相違や他の応募者との兼ね合いなどで、不採用となってしまう可能性も十分に考えられます。応募する企業を絞ればそれだけ対策を練る時間を捻出しやすくはなりますが、やはり転職活動を行う場合には複数の企業にアプローチして、並行して面接などを進めていった方がリスクは少ないといえます。
転職サイトを使えば、ある程度は事業内容や給与、勤務地などで働きたい企業を探すことができるので、自分が求める就業条件を満たしている企業を一覧で知ることができますし、そこからいくつかの企業を選んで、アプローチをかけていくのに手間がかかりません。また、自分のやりたいことにマッチした企業を新しく発見することもできるので、業界のリサーチにも役立ちます。最近では、カジュアル面談など企業の担当者と話せる機会を設けてくれる会社も多いので、面接だけでは分からないその企業の雰囲気や職場環境などを実際に感じてみることもできますし、自分の職務経歴やポートフォリオなどをサイトに登録しておくことによって、スカウトといった形で企業から声がかかることもあります。
自分のこれまでの経歴やスキルが求められているような、マッチング率の高い企業とのつながりを持てるというのも、転職サイトを利用するメリットと言えるでしょう。
転職サイトとエージェントサービスは何が違うの?
転職サイトは、エージェントサービスなどとは違って、「自分から企業に応募リクエストを送る」必要があります。最近では、「応募」というよりももっと「カジュアルに企業と話がしたい」というニュアンスになっていることが多いですが、企業と応募者が直接やりとりをするということには変わりありません。エージェントサービスの場合は、基本的には担当のエージェントを介して企業と話をします。これはメリットとなる場合もありますが、企業側との接点が持ちにくいので、入社準備の段階になるまで企業側の担当者の名前すらよくわからない、といったことがしばしば起こります。給与交渉や採用辞退など、直接企業とは話しにくいこともエージェントが代行してくれるので、そういった交渉ごとがどうしても苦手という人はエージェントサービスを使った方が気が楽かもしれませんが、エージェントによっては妙に当たりの強い人もいるので、企業の人と直接話した方が納得感のある転職ができることの方が多いでしょう。
また、エージェントサービスの場合、応募者のスキルや力量に合わせて求人を出してくれますが、受かる可能性がある企業しか求人として紹介してくれなかったり、未経験の場合には門前払いを喰らうこともあるので、まだ年齢が若く様々なことにチャレンジしていきたいという方は、直接企業にアプローチした方が熱意が伝わりやすく、採用の可能性も高まると思います。特に、どうしても挑戦したい企業がある場合や、キャリアチェンジなどを望んでいる場合は、自分からその熱意をアプローチできる転職サイトを利用した方がいいでしょう。
デザイナーにおすすめの転職サービス
デジタル媒体でのデザインがやりたい人や、IT系のスキルアップを望むならGreen
デザイナーだけでなく、webやITに関わる仕事をしたいという方であれば、まずはGreenに登録しておくのがいいと思います。そもそもがITエンジニア向けの転職サイトなので、DTPを志す人には不向きだと思いますが、webデザインからUIデザイン、ゲームの2Dグラフィッカーに至るまで、デジタル媒体に関するデザイナーの求人は多いです。webメインで活動しているデザイナーやクリエイターの方や、エンジニアリングの知見も含めてスキルを磨いていきたいという方におすすめの転職サイトです。
また、自分の職務経歴やポートフォリオを登録しておけば、企業側からメッセージやスカウトといったアプローチがあるので、思わぬ企業と接点が持てたりします。企業とのやりとりもGreenのアプリやサイトに搭載されているメッセージ機能だけで完結してしまうことが多く、複数の企業と並行してやり取りをしている場合でも、Greenのアプリだけで連絡を行えるので、そういった点でも便利です。
ただし、やはりエンジニアの転職をメインにしているサービスなので、デザインの質を上げたいという方や、デザインスキルで勝負したいという方にとっては、少し物足りなく感じてしまうかもしれません。プロフィールに登録できる内容も、扱える言語や開発環境などの情報がメインで、デザイナーのスキル情報として登録できるのは扱えるデザインツールやhtml・cssぐらいしかありません。ポートフォリオや製作物の画像なども登録できないため、自分の製作物を企業に確認してもらうためには、自由記述の欄に自身の経歴を掲載したサイトへのURLを記載する必要があります。果たして企業側がわざわざURLを踏んで製作物を確認してくれているのかと言われれば、なんとも言えないという印象です。自分の実績やスキルで真っ向から勝負したいという人は、別のサービスを使って転職活動を行った方がいいと思います。
私の場合は昔システムエンジニアをやっていたこともあり、システム開発のスカウトメールばかり届いていました。10年以上開発に関わっていないので、登録されている所持資格や使用言語などを機械的にフィルタリングしてメールを送っているんだと思います。
Greenを使って転職活動をするメリット
- Web系のデザイナー求人や、デジタル領域の求人数が多い。
- 経歴やポートフォリオを登録しておけば、企業側からのアプローチがある。
- カジュアル面談を行なってくれる企業が多く、面接前に企業の雰囲気がわかりやすい。
Greenを使って転職活動を行う際に気をつけておきたいこと
- 紙媒体やDTP領域のデザイン求人は少ない。
- 企業からのスカウトメールは一斉送信であることが多く、あまり期待するとがっかりすることも。
- 「デザインスキル」そのものをアピールする方法が少ない。
カジュアルに転職活動を行ないたい人や、ベンチャー企業への転職を考えているならWantedly
今すぐ転職を考えているわけではないけれど、もしも気になる企業があったら話を聞きにいきたい…という方にはWantedlyがおすすめです。ポートフォリオや職務経歴書などをプロフィールに登録しておけば、企業側からメッセージをもらえることが多いので、転職を視野に入れている人であれば、とりあえず登録しておくだけで思わぬ企業との接点をもつことができます。また、転職サイトというよりも、仕事を軸にしたSNSといった側面が強いサービスなので、メッセージなど企業とのやり取りがアプリ内で完結するのもいいところ。また、先ほど紹介したGreenとは違い、自分のプロフィール欄に画像を登録することもできるので、デザイナーにとっては自分の作品をアピールしやすいと感じるでしょう。求人の内容は小規模の企業やベンチャー企業などが多いですが、その分デザインやクリエイティブ系の求人は他のサービスに比べて多いです。ベンチャー企業に入社して、多様なスキルや経験を身につけたいという人や、これから様々なことにチャレンジしていきたい人にはおすすめです。
ただ、「熱意」や「仕事に対する思い」などをメインテーマにしているサービスデザインなので、求人情報から雇用形態や給与などが分かりにくいという点は注意が必要です。Wantedlyに掲載されている求人情報は正社員だけでなく、契約社員などの有期雇用や、業務委託、さらにはアルバイトなど、様々な雇用形態のものがあります。また、企業側も複数の転職サービスに求人情報を出稿していることが多いので、Wantedly経由で応募した求職者が雇用形態や給与の情報を知らないという点を見落としがちです。こういった点は後々トラブルになったり、「こんなはずではなかった」という転職時の後悔を生む可能性もあるので、最初の面談の時点で、どういった雇用形態での募集なのかをきちんと確認しておくのがいいでしょう。収入や雇用形態に関わらず、どうしてもこのチームで働きたい!という方であればおすすめのサービスではありますが、シビアな目線で転職活動をしている方や、ライフプランの変化などをきっかけに転職を考えている方であれば、使う際に少し注意が必要なサービスともいえます。
Wantedlyを使って転職活動をするメリット
- デザインだけでなく、イラストレーターや2Dモデリングなど、多様なクリエイティブ領域の求人を扱っている。
- プロフィールに自身のポートフォリオを画像で掲載することができるので、クリエイターにとっては自分の経歴をアピールしやすい。
- 最初のステップが面談から始まるので、企業のことを理解した上で求人に応募することができる。
Wantedlyを使って転職活動を行う際に気をつけておきたいこと
- 雇用形態や給与などの待遇面がわかりにくく、逐一確認する必要がある。
- 最近はクリエイティブ系の求人よりも、サービス業などの求人が増えてきているように感じる。
- 大手企業の求人は有期契約の場合が多く、有名企業に正社員として入社したい場合は、別のルートで求人を探した方がいい。
制作会社でデザイナーとしてのキャリアを積みたい人におすすめのMOREWORKS
とにかくクリエイティブをやりたい、様々な案件を経験してデザインのスキルを積みたいという方には、制作会社の求人が多いMOREWORKSがおすすめです。様々な企業と話をしていると、デザイナーが想像する「デザイナー職のイメージ」と、企業側が想像するデザイナー職が「どうも違う」ということは意外と多いです。転職に後悔する失敗パターンの中には、デザイナーとして応募したはずなのに、実際はプロジェクト管理や外注管理など、実際にクリエイションとしてのデザインを行う機会がほとんどなく、思っていた仕事内容と違ったということも多くあります。その点、制作会社の求人であれば、デザイナーが想像する職務内容と実際の業務内容の間に大きな乖離は発生しにくく、企業ごとのプロジェクトの進め方に違いはあれど、入社後の職務内容や企業に求められている自分のスキルが明確なので、入社後のアンマッチを減らすこともできます。MOREWORKSは転職サイトには珍しく、制作会社の求人が多く存在するサービスなので、制作会社でたくさんのクリエイティブを手掛けたいという方であれば優先して登録しておきたいサービスです。また、自分の作品をまとめたポートフォリオの登録も簡単に行うことができるので、自分のデザインスキルや経歴のアピールがしやすいというのもいい点です。企業側の製作したサイトを閲覧することもできるので、自分が作りたいデザインを多く手掛けている企業を選んで応募することもできますよ。注意点としては、クリエイター特化型の転職サービスのため、掲載されている企業の数が少し少ないということです。応募数を増やしたいという場合には、他のサービスと併用して使うのがおすすめです。
MOREWORKSを使って転職活動をするメリット
- 制作会社の求人数が多く、クライアントワークがしたいという人におすすめ。
- 自身の経歴としてポートフォリオが登録できるだけでなく、企業側も制作実績を掲載しているので、自分の作るデザインにマッチした企業を探すことができる。
- 様々な制作会社の情報を集めることができ、転職活動のリサーチができる。
MOREWORKSを使って転職活動を行う際に気をつけておきたいこと
- クリエイティブ求人に特化しているので、その分求人数は少なめ。
- インハウスデザイナーとしての転職を考えている場合は他のサービスを利用した方がいい。
まとめ:自分に合った転職サイトを見つけて、後悔しないキャリアを選ぼう
いかがでしたでしょうか。デザイナーにとって、転職はスキルやキャリアを考えたときにとても身近なものですが、その割にクリエイティブ求人に特化した転職サイトはあまり多くはなく、どこで情報収集をしたらいいのか困ってしまうことも多いですよね。いわゆるマイナビやリクナビなど大手と呼ばれる転職サイトに登録しても、デザイン職の求人は少なく、知り合いのつてなどリファラル採用以外の方法で転職するのは難しく感じてしまうことがあるかもしれません。実際のところ、知り合いの紹介で入社できるなら、人間関係や企業風土に戸惑うことはないでしょうし、それができるに越したことはないですが、誰しもそういったコネクションを持っているわけではないということも事実。特に、未経験からデザイナーを目指している方や、デザイナー歴が短い人にとっては、自分から実績を作りにいかなければ声をかけてもらうことはできません。ですが、本記事で取り上げたように、クリエイティブ職の求人を扱っている転職サイトはありますし、未経験でもOKという求人もあります。ポートフォリオに掲載できる実績がなくても、自分なりに考えたポートフォリオを丁寧に制作すれば、ポテンシャルや熱意を買われて採用してもらえることもありますので、諦めずに頑張ってみてくださいね。
この記事を書いた人 : que
新卒で入社したのはシステム開発会社ですが、デザイナーになることを諦めきれず、未経験でデザイン制作会社に入社。その後、ベンチャー企業のアプリ開発や大手サービスのインハウスデザイナーなど、様々な仕事を経験して今に至ります。気がつけば、メジャーな転職支援サービスは大体使ったことがあるような・・・。決して褒められた経験ではないですが、そういった経緯を経る中で、デザイナーやクリエイターにおすすめできる転職サイトや、サービスの特徴などに関する知見は溜まってきたように思います。本記事の内容が、キャリアアップやスキルアップに悩んでいるデザイナーの方の助けになれば幸いです。