アイデアが浮かばない時におすすめ!デザインのアイデアソースまとめ
デザインを仕事にしていると、「どうしよう…アイデアが全く浮かばない」という、スランプのような時期がたまにやってくるものです。そんな時になんとかアイデアを絞り出してデザインを作ってみても、あらためて翌日眺めてみたらあまりいいデザインではなく、結局最初から作り直しになることも多いですよね。このようにデザイン作業に行き詰まってしまった時には、一度デザインを作成する手を止めて、インプットに没頭するのがお勧めです。一回仕事を忘れてさまざまなデザインのアイデアに触れることで、フラットな気持ちでデザインに向き合うことができるようになりますよ。また、さまざまなアイデアソースに触れることを始業前や就業前の日課にしておくことは、トレンドのデザインを常にキャッチしておくためにも役立ちます。
本記事では、現役でデザインを仕事にしている私が、自分自身や周囲のデザイナーが実際に使っている、アイデアソースをインプットするためのおすすめのサービスや方法をご紹介します。
この記事はこんな方におすすめ
- いいデザインが浮かばなくて困っている時に、参考になるサービスが知りたい
- デザインのアイデアを常にインプットしていたいけど、どんな記事やサービスをブックマークしておくのがいいのか分からない
- 独学でデザインをやっているので、デザインの知識をたくさん知りたい
目次
- アイデアが浮かばないとき、デザイナーはどうする?
- デザインの休憩にお勧めのアイデアソース
- 日常的にデザインの知識やトレンドを取り入れたいなら、SNSを併用するのもおすすめ
- まとめ:デザインに行き詰まった時は、悩むより情報収集しよう
アイデアが浮かばないとき、デザイナーはどうする?
デザインのアイデアが浮かばないけれど、制作物の納期が近いというときは、どうしても焦ってしまうものですが、焦れば焦るほどデザインのイメージやアイデアは遠のいていってしまうものですよね。ですが、このようにアイデアがなかなか浮かばない状況というのは、大体のデザイナーにとって身近なものです。私も一人のデザイナーとして、さまざまな先輩たちや同僚と一緒に仕事をしてきましたが、どれだけデザインの上手いデザイナーであっても、アイデアが浮かばない時は困るものだと口を揃えて言っていました。つまり、どんなにデザインが上手くても、どんなにデザイナーとしてクオリティの高い制作物を出し続けている人でも、アイデア出しに行き詰まってしまうことはあるということですので、一人で悩んだり、デザイナーとしての力量に不安を覚えたりすることはありません。
とはいえ、例えデザイン制作に行き詰まってしまったとしても、長くデザインを仕事にしている人は、スランプを抜けるための自分なりの解決策を持ち合わせているものです。実際、私もデザインのアイデアが出ないことに悩まされていた時期があり、周りのデザイナーの先輩や同僚からスランプの対処法を相談していました。そして、さまざまな人から解決策を聞いてきた結果、多くの先輩デザイナーにとって、以下ようなことが共通してデザインに行き詰まった時に行う行動だと気づきました。
- 周囲の景色に意識を向けながらゆっくり散歩をする。美術館やウインドウショッピングなど、他者の制作物に触れられる場所に行くのもいい。
- お風呂に入ってゆっくりリラックスしながら考える。
- 他人が作ったデザインやデザインに関する記事を読むなど、いったんインプットに勤しむ。
こういった先輩たちのアドバイスを参考にして、自分もさまざまな方法を試してみましたが、確かに「デザイン以外のことにも目を向けているとき」の方が、アイデアがたくさん浮かびがちです。
「どうしてもアイデアが出ない」という時には、目の前のデザインのことばかりをぐるぐると考えてしまいがちですが、よくよく考えてみると、デザインに行き詰まるような案件の場合、そもそも案件概要から得られる情報が少なすぎることが多いんです。営業の人であっても、自分が売り込みたい商品のアピールポイントがよく分からない状況では、どうやってその商品を売り込むべきか悩んでしまいますよね。これはデザインでも同じで、例えば「どのような目的があってそのサイトが必要なのか」ということや、「ターゲットとしてアピールしたい顧客層はどのあたりか」などの情報が全く曖昧な状況では、どんなデザインを作ったらいいか分からなくなってしまうものです。
少し抽象的な話にはなりますが、「デザインを作る」ということは、「さまざまな事象の糸を紡いで一つのイメージを描く」作業でもあります。そのため、「アイデアが出ない」というのは、「イメージを描くための情報が圧倒的に足りていない」ということでもあります。そもそも、事前情報や前提が何も書かれていない問題文に対して、ひたすら答えだけを考え続けたところで、問題が解決しないのは自明なことですよね。ですので、デザインに行き詰まって同じ場所で悩み続けるよりも、気持ちを切り替えて別の場所に情報収集にをしに行くほうが、よほど建設的な解決方法であるように思います。そして、情報収集に集中しているうちに、少しずつ案件の解像度が上がってきて、自分が作るべきデザインのイメージが浮かんでくることも、実際の体験としてよくあることです。
とはいえ、ただでさえ制作のスケジュールが厳しい中、「デザインに行き詰まったから」といってゆっくり散歩に行って体を動かしたり、リラックスをしたりすることは、実際にはなかなか難しいことですよね。ですので、オフィスや職場でもできるちょっとした息抜きと情報収集の方法としては、アイデアソースやデザインに関連するサービスなどからさまざまなデザインをインプットして、一度自分の頭を整理してみる方法がおすすめです。特に、インターネットが普及している現代では、仕事の合間や休憩時間に簡単に閲覧できるウェブサービスが多いものです。このようなサービスを仕事用のパソコンにいくつかブックマークしておくと、困った時の息抜きに役立ちますよ。
デザインの休憩にお勧めのアイデアソース
ここからは、自分が普段からチェックしているデザインソースや、周囲のデザイナーの知り合いなどに教えてもらったデザインソースの、お勧めをご紹介します。
自分だけのスクラップブックやイメージボードの作成にも役立つPinterest
Pinterestは、気に入った画像をピンすることで、気軽に自分だけのデザインギャラリーが作れる便利なサービスです。スマホやPCのブラウザにプラグインを入れておけば、気に入った画像にピンを立てて自分だけのスクラップブックを作成することができます。また、自分で画像を追加するだけでなく、「UI」や「webサイト」などで検索すればたくさんの関連画像が出てきますので、デザインのあしらいに困った時にも役立ちます。イラストからインテリア、ファッションなど、ジャンルを問わずさまざまなデザインに触れることができるので、休み時間に眺めているだけでも楽しいですよ。
「あとで参考にしたい」という画像を見つけたら、ワンタップで簡単に自分のボードに保存しておくことができるので、保存した画像を「アイコン」「グラフィック」「ロゴデザイン」などのカテゴリで整理しておけば、デザインに困った時のアイデアソースとして利用することができます。また、具体的なデザインを制作する前にデザインイメージをすり合わせるためのムードボードやイメージボードとしても利用するのもおすすめです。
Pinterestは、自分の制作したデザインを投稿する場所ではなく、あくまで自分で見つけたお気に入り画像をまとめていく場所なので、他のSNSサービスのように他のユーザーと繋がりを持つ目的では使いにくいですが、その分気軽に利用することができます。「自分だけのデザインソースを作っていく」という感覚も楽しいので、あらかじめブックマークしておくのがおすすめです。
ウェブデザインのトレンドをキャッチアップできる各種webデザインギャラリー
ウェブサイトのデザインやインターフェースに困った時は、さまざまなクオリティの高いサイトを紹介しているwebデザインギャラリーを参考にするのがおすすめです。
特に私がよく参考にしているサイトは「MUUUUU.ORG」や「Web Design Clip」「I/O3000」などですが、どのサイトもたくさんのクオリティの高いウェブサイトを掲載しているので、アイデア出しだけでなく、画面の構成やUIのあしらいなどに行き詰まった時にも助けになってくれますよ。また、webデザインギャラリーでは、「サイトのテーマ」や「扱うサービス」など、サイトの特徴によって絞り込み検索をすることもできるので、自分が作りたいサイトに近いテーマのウェブデザインを簡単に探すことができるのもいいところです。多くのwebデザインギャラリーは定期的に更新・運用されているので、最新のwebデザインのトレンドをキャッチアップするのにも使えますよ。
webデザインギャラリーは、デザインのアイデアソースとしての活用だけでなく、クライアントとデザインイメージを共有するのに役立てたり、具体的な実装のイメージをエンジニアとすり合わせたりすることにも使えるので、気に入ったギャラリーサービスをいくつか見つけておいて、仕事用のPCにブックマークしておくと、ウェブ制作をスムーズにすることに繋がりますよ。
たくさんのクオリティの高いデザインに触れることができるBehance
Behanceは、デザインをベースにしたSNSのようなサービスなので、使い方によってさまざまな用途に利用することができますが、アイデア出しに困った時のデザインソースとしても役立ちます。長くデザイナーをやっている方にとっては、どうしても敷居が高いイメージがあるBehanceですが、最近では少しカジュアルな印象のデザインも増えてきている印象で、以前よりも気軽に利用できるサービスになっています。
Behanceでは、世界中のクリエイターが制作したクオリティの高いグラフィックやデザインを見ることができるので、自分のデザインスキルをアップデートしたい時や、世界のデザイントレンドをキャッチするのにも役立ちます。とはいえ、やはり掲載されている制作物のクオリティが高すぎて、実際に普段の案件で取り入れるのは難しいかもしれません。特に、タイポグラフィを使ったグラフィックやロゴデザインなどは、使う言語によってデザインの印象も変わってきますしね。具体的なデザインの参考にするというよりは、「普段からさまざまなクオリティの高いデザインに触れておきたい」という時に利用するのがおすすめです。
日常的にデザインの知識やトレンドを取り入れたいなら、SNSを併用するのもおすすめ
ここまでは、デザインのアイデアソースとしてデザイナーがよく利用しているサービスをご紹介してきましたが、中には寝る前や通勤時間などのちょっとした時間を使ってデザインの知識やトレンドをキャッチアップしたいという人もいると思います。そういった人にお勧めしたい方法は、「SNSを活用してデザインの知識をアップデートしていく」ということです。
デザインの勉強をしたいのであれば、画像をベースにしたSNSであるInstagramが強いのではないかと思われがちですが、個人的に便利だと感じているのはX(旧Twitter)を利用した方法です。以前は自分がフォローしている人達の呟きをタイムライン形式で表示してくれていたXですが、今ではサービス側がレコメンドするポストが表示されることのほうが多いですよね。それについては賛否両論あるかと思いますが、このポストのレコメンド機能を使えば、デザインに関する話題を集めたフィードを作成することも可能です。やり方は簡単で、デザイナーやデザイン企業のアカウントをフォローしたり、デザインに関する投稿をいくつか閲覧・保存していくだけです。こうすることによって、「デザイン関連のポストに興味がある」ということをXに伝えておけば、あとはサービス側でさまざまなデザインに関するポストを自動で探して表示してくれます。
ただでさえ情報の多い現代において、自分から情報を探しにいくのにはどうしても限界がありますが、このようにSNSのおすすめ機能を使ってデザイン情報が集まるようにしておけば、スマホを開いた時に、いつでもデザインに関する情報を確認できるようになります。RSSやフィードなどの機能を使ってデザインブログをキャッチアップするよりも、かなり楽に情報を収集することができるので、一度試して見てくださいね。
SNSを利用した情報収集を行う場合、記事が流れていってしまう速度が早いので、少しでも気になったら「いいね」ボタンを押しておくと安心です。
まとめ:デザインに行き詰まった時は、悩むより情報収集しよう
いかがでしたでしょうか。デザインのアイデアが浮かばずに悩むということは、デザイナーであれば多くの人が直面することです。しかし、ただ悩んでいるだけでいいアイデアが浮かぶということはあまりなく、効率的に作業を進めることはできません。本文でも説明した通り、デザインのアイデアが浮かばないときというのは、たいていの場合どんなデザインを作るべきかを定めるための情報が揃っていないということが多いので、行き詰まった時こそ気分を切り替えてさまざまなデザインに触れてみることが大切です。
本記事でご紹介したPinterestなどのWebサービスやウェブデザインギャラリーを利用したアイデアソースの見つけ方だけではなく、SNSを利用したり周囲のデザイナーの仲間に相談するなど、色々な情報を参考にして自分にあったデザインに行き詰まった時の解決法を見つけてみてくださいね。
この記事を書いた人 : que
デザインやクリエイターにとって、アイデアが浮かばない時ほど困るものはないもの。現役のデザイナーである筆者が、デザインに行き詰まった時によく使っているアイデアソースのおすすめを紹介します。